ヒートポンプ・蓄熱システムに関するQ&A集
A(1):まず、蓄熱完了時の槽内平均温度 6 ℃というのが、敢えて蓄熱量を調整しているのではなく、全能力運転しているつもりなのにそうなっているとすれば運転状況が不具合であることに間違いありません。理由として考えられるのは、
1.冷凍機が出口温度低温カットで途中で停止してしまっている
2.10 時間連続運転しているが負荷制御(ターボならベーン制御)が動いてしまっていて実出力(非常に)が少なくなっている。
3.理由はわからないが、冷凍機能力が非常に低下している。
A(2):なぜ入り口温度制御にされたのか、ハンチング等の原因があったかもしれませんが、基本的に(定温蓄熱用)三方弁制御は出口温度を一定にするものですから入り口温度制御は好ましくないのです。従ってハンチング等でお困りだったとすれば、入り口温度制御に出口温度制御でカスケードさせてください。すなわち、制御そのものは入り口温度でやるのですが、目的の温度設定は出口温度とし、出口温度が上下した場合はその偏差によって入り口温度設定を変更してやるのです。この前提知識として、冷凍機能力は冷却水温度や冷水温度の変動とか、能力劣化によって変動するし、能力一定でも水量によって出口温度は変わると言う事を知っておく必要があります。もうひとつ、冷凍機内蔵の容量制御用の出口温度制御回路は� �かしてはいけないということです。これが生きていると、往々にして三方弁制御系統と干渉して低負荷運転をしてしまいます。従って最も有りえる現象としては、
1.内蔵の容量制御用出口温度制御回路が生きている。
2.実際の出口温度が上記容量制御用設定温度の影響範囲に入ってしまって容量制御を余儀なくしている。
3.場合によってはさらにその下の定温カットの温度まで下がって冷凍機が停止しているかもしれない。
このような場合は、上述のように
1.内蔵の出口温度によるよう用制御回路をカットするか、その設定温度を低く( 3 ℃くらいに)する。
2.三方弁制御を出口温度カスケードにする。
そうすれば直ります。
A(3):マニュアルを読破していただければ上記のことが理解できると思います。少なくとも改修前は十分に蓄熱されていたと言うことならば、改修の仕方に誤りがあったということです。往々にして原設計の趣旨を十分理解せずに見かけの現象だけを頼りに改修して失敗することがあります。この設備の原設計者に相談されたのでしょうか?
以上が原因でなければ、もっと単純なことが原因かもしれません。また様子を知らせて下さい。
<追記>
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それは、「蓄熱完了時の平均温度 6 ℃なのはおかしい」と書きましたが、これは私の書き違いでした。これは基本的には正常だと思います。したがってそのあとに書いたことは正しいのですが、それが直接の原因であるかどうかからは技術内容からは判断できません。以前は 21cal 蓄熱できたということは平均利用温度差で約 8 ℃取れたという事で、先ずは妥当な値でした。かなり良いほうだと思います。 50GJ = 12.5Gcal に下がったと言うことは温度差では 4.7 ℃ですね。ですから蓄熱運転開始前の平均温度は 6+4.7=10.7 ℃になってこれがおかしい、ということです。この原因を逆に推算すると、
1.放熱完了時点 (22 時 ) の槽平均温度が低い、ということになるから昼間に十分に放熱していないと言うことは吸収冷凍機のほうを余分に動かしてしまっている。
2.空調機の方に弁制御に不具合が有って、空調機コイル出入口温度差が十分取れておらず、蓄熱槽への冷水還り温度が低くなっている。従って ( 汲み上げ温度が 7 ~ 9 ℃くらいを上限したときに ) 温度差が十分に取れず、蓄熱槽効率が低下してしまっている。
1 の場合は昼間の放熱運転と吸収冷凍機の補助運転の仕方の問題ですね。これなら従来の経験がそのまま生きるはずです。 2 の場合は制御を修復すれば直りますね。但し、空調機の 2 方弁制御に変更してしまっていれば別ですが。
3.次に運転状況からの記述では 750USRT(=2268Mcal/h) の冷凍機で 2650 トンの蓄熱槽を冷やせば 1 時間に 0.86 ℃、 10 時間で 8.6 ℃の温度差がつきます。これは昨年までの運転実績の 8 ℃とほぼ一致しますね。
22 ないし 23 時の時点の槽内平均温度差が書いてないので何とも言えませんが、冷凍機が正常であり、夜間蓄熱運転を全能力で 10 時間できているのであれば、上の 1 ~ 2 とは矛盾します。即ち、蓄熱開始時 (22 時 ) の温度は 6+8.6 = 14.6 ℃になるからです。
記述からは、 23:00 ~ 7:00 の間の夜間は蓄熱運転していない、と言う風に読み取れます。但し、それが真実とすれば、お話しのような事実は起こり得ます。これは根本的に私達の描く蓄熱運転イメージ (夜間シフト運転 ) とは異なるので、今回はここまでにして上に記述した点についてそれぞれ確認してくださり、また質問してください。一日の運転モードと蓄熱温度プロフィルの変化、空調機への送水温度還水温度の変化の図を見せてくださればもっとましなアドバイスができるでしょう。
7月19日、ゼネコンをはじめ、私たちエネルギー管理センターを代表するもの、システムの担当企業、空調メンテ担当企業の、発生している不都合を解決する会議が開かれ、その中で、昨年夏季シーズンまでの出口温度制御から、冬季シーズンから、入り口温度制御に変更したために発生した不都合についても、討議されたようです。少し安心しました。
私のメールもこの打合せグループで紹介してください .参考になるはずです。
その後の検討結果と、蓄熱異常診断システムの利用結果を、感想を報告します。
5ロボットのコンポーネントは何ですか? ? ? ? ?
発生している不都合を時系列順に列記しますと、
先ず、夏季シーズンに入って、蓄熱完了時の畜熱量が100ギガジュール程度で、ありました。私は、昨年までの21ギガカロリー程度を換算して、いいかなという判断に立ちました。
ところが、20人近くいる運転員のほとんどは、50ギガジュール以下は、使えないというのです。当時は、ターボ冷凍機一台を終日運転し、蓄熱槽を含めて、1日、30ないし40ギガカロリーを保証する段階です。
50GJ以下は使えない、という理由がわかりません.その前にここで言う熱量はどういう計算によるのか、最大温度プロフィルと最小温度プロフィルの差から計算した実績値か、仮定の基準温度から計算した熱量なのか?使えないということはそこまで使うと汲み上げ温度が高くなりすぎるということでしょうね.これから見えてくることは、
(1) 何らかの理由で蓄熱槽効率が悪い (ピストンフロー特性が弱い)と言うことと、
(2) 熱量計算用の基準温度設定が適性では無さそうだ、
ということですね。
当時ターボの入り口温度を 9℃ら9.5℃で運転する方法がはやり、効率は、低下するばかりでした。
定格入口温度より下げると言うことですね。これは冷凍機の容量制御と干渉させない、すなわちベーンコントロールを電流制御にするか、前に話したように容量制御用のセンサーの設定温度を 3℃くらいまで下げなければ、部分負荷運転するだけで意味がありません。
私は、入り口温度を11℃以上に上げて、効率を上げる、具体的には、ベーン開度を一段目、80パーセント、二段目100パーセントにする、昨年前半、一昨年の経験に戻るよう主張し、それを実行しました。そうすれば確かに効率は上がるのですが、昨年までより、効率は悪いのです。なぜなのか、この段階で、答えが解りませんでした。
ここもよく判らない、始めの効率と言うのは冷凍機の COPですね?あとの効率と言うのは蓄熱槽効率??とすれば、出口温度が5℃を確保できないと言うことですね?
次に、制御担当する企業が、前回報告した、計算する蓄熱量の範囲を 6℃から、13.5℃に変更しますと、蓄熱量は、50ギガジュール程度に減少しました。
消費量は、百貨店、量販店、専門店、結婚式場などの部門へのカロリーメータで把握しますので、此方が基本になると信じるのですが、生産量は、その60パーセント程度になる、ちなみに一昨年までも75パーセント程度でした。
6℃から13.5℃とはえらい変更ですね。計算式を見なければ何ともいえませんが、13.5℃以上の温度の分だけ熱量に計算すると言うことであれば無茶な話です。これはきっと(部分負荷運転のために)蓄熱が十分にできなくて13度くらいまでしか水温下がらないからなのか?それも無茶な話ですが・・
ガスのコストをうまくする方法
昨日過去の運転記録を調査してみますと、一昨年の7月には、106ギガカロリーの消費熱量をターボ二台で合計32時間運転
吸収式冷凍機一台13時間運転でまかなっており、これが定常状態でした。今年は、現在80ギガカロリーを少し越える程度の消費量が続いているのですが、午後一時半以降2台目の吸収式冷凍機を投入しています。
今年昨年の7月20日前後のターボの運転記録を比較してみると、昨年は、冷水の入口温度、出口温度が、一号機で8℃、4.5℃でも、ベーン開度、78、97パーセント二号機同じく8℃、5℃で80、100パーセントとなっているのに対して、今年は、一号機8.5℃、4.3℃でベーン開度57、702号機8.5℃、5.3℃に対して、ベーン開度、51、65パーセント、と何れもベーンを絞る傾向が明白です。
明白ですね。温度設定のまずさと、三方弁入口温度制御の問題と、容量制御との干渉とが原因であることが明々白々です。これだけのことなら、上述の方法で簡単に直せますし、さらにやはり出口温度制御に戻すべきです。
ターボ2号機は、今年の4月に製造企業が分解整備を行っています。
貴センターからご指摘の入り口温度制御に出口温度制御を変更したことに関連して、それにより発生した不都合とすれば、原因と解決方向も明らかになるように想います。
畜熱異常診断システムに対する意見は、少し使用してみて、使わせていただいたことに感謝しています。
7月23日、本日の進行から、報告しますと、ターボと、吸収式の営繕を担当する企業が、午前十時から、ターボの最適設定温度を6℃から5℃に変更するターボ自体の制御変更工事をやりました。先に報告した会議で、ターボの出口温度制御を残したまま、入り口温度制御にコンピュータ側の制御を変更したことに関連する矛盾は、討議にはなったらしいのですが、結局ターボの側をいじる事になったのでしょう。
私は、電気・発電所担当のエネルギー副長の任にあるのですが、先生の助言を蓄熱センターが発行しているマニュアル類から導き出した意見として、保安課長と、エネルギー室長に報告しました。
関心を持って、迎えられました。
私自身の理解力も限界にある事態に直面していますので端折って報告しますが、午後五時に、設定変更後のターボの二回のデータが取れました。吸収式もかんでいますので、入り口温度 13.5℃、出口温度5.3℃前後で、ターボのベーン開度は、一段目75ないし85二段目95ないし98パーセントに著しく改善されました。
保安課長とエネルギー室長に対する報告の中では、明日、私が、空調担当の監視盤勤務なので、ターボの出口温度設定を 4℃にしてみて、テストしてみるとまで、話は進んだのですが、このデータの結果を受けて、しばらく、このデータを集中して、検討するにしても、次の機会にしようとなりました。
疑問への追加報告
50ギガジュール蓄熱槽には、残っているのに槽内温度は、高温で15℃前後、低温は、10℃前後にまで上がっている状況を指して、使えないといっていた。
ここもよく判らない、始めの効率と言うのは冷凍機の COPですね?あとの効率と言うのは蓄熱槽効率??とすれば単位使用電力量あたりの発生冷水量として、効率を考えています。私は、電気専門なので、熱、空調については、現場で関心を持って追求をはじめて、いろいろわからないまま言葉を使っているところがあります。蓄熱量に対する疑問は、今も解けていません。
6℃から13.5℃とはえらい変更ですね.計算式を見なければ何ともいえませんが、13.5℃以上の温度の分だけ熱量に計算すると言うことであれば無茶な話です.これはきっと(部分負荷運転のために)蓄熱が十分にできなくて13度くらいまでしか水温下がらないからなのか?それも無茶な話ですが・
ここは、表現が誤っていました。 6℃から、13.5℃の間の槽内の冷水の保有熱量として、蓄熱槽容量をひろっているという意味です。現在23日現在は、亦、若干変更になっているかもしれないのですが、正確なところわかりません。
変更後のシステム担当企業は、マイナスのエネルギー表示を認めず、蓄熱エネルギーゼロを表示以降は、ゼロのままで、マイナス表示をしません。ここも昨年までの方法と変更されたところです。
異常蓄熱診断システムの試用結果
冒頭の蓄熱槽の水位低下、私たちも、昨年体験しました。原因は、尤もエネルギー使用量の大きい、私たちが直接コントロールしている専門店の二次ポンプサクヘッダの往弁のみを閉めて、還弁を閉めていないことにありました。畜熱システム使用後の午後七時三十分から、翌日の午前七時、の間の出来事でした。
二次側還水温度不都合に関して
先に報告した四つの系統の送水と還水温度の関係は、送水は、 6℃から7.9℃を維持する。還水は、系統によってまちまちですが、概ね15℃から18℃の範囲です。FCU関係は、還水温度、11℃以下です。試用してみて、私たちの現状を肯定的に評価しています。
槽内温度プロフールに関して、
追求は始まったばかりです。私たちの水準は、作業者の位置にあり、現在、技術者への向上を目指して奮闘中です。
全体を評価できる水準に私自身がありませんが、あえて報告しますと、不都合症状の項で、考え方が、ホップアップで示されることは、検討の方向を導いてくれると歓迎です。
私は、このプログラムの試用を今後の事態考察の手がかりにするつもりです。TESECOについても、今後学習をふかめ、私たちのビル管理事業に援用させていただきたいと心しています。
まったく不十分な報告ですが、以上報告を終了いたします。
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